Windows 11からAI機能を一掃するスクリプト、プライバシー反発の中で拡散

要約

• 話題となったXの投稿で、Windows 11のAI機能を無効化するGitHubスクリプト「RemoveWindowsAI」が注目された。
• このツールはCopilot、Recall、AI強化アプリ、インストーラー、レジストリフックを対象にし、再インストールもブロックする。
• 再び注目が集まったのは、Windows 11のプライバシー不安や限定的なオプトアウト手段へのユーザーの不満を反映している。

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MicrosoftのWindows 11オペレーティングシステムに組み込まれた人工知能コンポーネントを無効化・削除するために設計されたスクリプトがオンラインで爆発的に拡散し、同社のAI統合に対するプライバシーやパフォーマンスへの継続的なユーザー懸念を反映している。

このツールは、GitHub上の「RemoveWindowsAI」リポジトリにて、開発者zoicwareによって管理されており、ユーザーはCopilotやスクリーンショットベースの検索ツールRecall、PaintやNotepadなどのアプリにおけるAI強化機能、関連するデータ収集プロセスなどを対象にできる。

このスクリプトは、レジストリキーの変更、AppXパッケージの削除、隠しインストーラーの削除、カスタムアップデートパッケージのインストールによるWindows Update経由での再インストールのブロックなどで動作する。

スクリプトがWindows 11からAI機能を削除 pic.twitter.com/tOsyxzx5eo

— Tom Dörr (@tom_doerr) 2025年12月8日

このリポジトリは、日曜遅くに最新更新が行われ、グラフィカルインターフェイスによる対話的利用、非対話型自動化、バックアップ、変更の元に戻すオプションなどを含む。Windows 11の25H2以降のバージョンをサポートし、一部機能の削除には手動対応が必要な場合があることを強調している。スクリプトはオープンソースで、適用前のバックアップ作成を推奨し、Microsoftのアップデートにより一部コンポーネントが復元される可能性があると注意書きがある。

このツールへの関心は、Xでリポジトリを取り上げた投稿から急上昇し、瞬く間に12,000以上の「いいね」と30万回以上の閲覧数を獲得した。類似スクリプトやデブロートツールは数ヶ月前から技術コミュニティで出回っていたが、MicrosoftのAI戦略への広範な不満の中で、今回のツールが共感を呼んでいる。

このリポジトリは急速に938スターと25フォークを獲得し、非常に高い関心と広がりを示している。ほとんどのオープンソースプロジェクトが到達しない1,000近いスター獲得は一つのマイルストーンだ。しかし、実際に何回ダウンロードされたかはGitHub上では表示されておらず、開発者もコメントには応じていない。

MicrosoftはWindows 11を「AI PC」プラットフォームとして位置付け、CopilotやRecall、Copilot+ PCイニシアティブによるデバイス上AI処理などの機能を展開している。Recallは定期的に画面スナップショットを取得してタイムラインで検索できる機能だが、2024年の発表時にプライバシー批判を受けて遅延や修正が生じ、2025年にはオプトイン、暗号化、ユーザーコントロール付きでプレビュー版がリリースされた。これらの統合は生産性やアクセシビリティ向上のためとされ、デバイス上の処理でデータ送信を最小限に抑える設計だと説明されている。

それでも一部のユーザーや評論家は、リソース消費やデータ収集の可能性、標準設定だけでは完全にオプトアウトできない難しさに懸念を示している。テクノロジーメディアの報道でも、「強制的」AI要素との批判が強まり、Windows 11の普及が従来バージョンに比べて鈍化している要因と指摘されている。

Microsoftは本スクリプトについて公にコメントしていない。同社はAI機能がユーザー制御とセキュリティを最優先していると主張しており、Windows Helloによる認証やRecallのスナップショット取得の一時停止・フィルタリングオプションなどのツールを用意しているとしている。